【MEMO】「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」
国立近代美術館で開催されていた「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」へ。
とても混雑している中、展示物の数は膨大で、キャプションを読みきれないことも多かった。すこしがっかりしていたけれど、帰宅後に買ってきた図録を開いたらキャプションまでもれなく掲載されていてとてもうれしかった。
後日この展示のタイミングに合わせて再配信していた「こころの時代 ~ 宗教・人生 衆縁に生かされて―民藝100年―」(NHK 2008年放送) を見た。
仲間と共に出西窯を開き、民藝運動の先達たちから教えを受けた多々納弘光さんが、宗悦、バーナード・リーチ、河井寛次郎、濱田庄司らから直々に聞いた言葉や教えを、当時を回想しながら語るドキュメンタリーで、多々納さんの温厚な人柄も相まってとても感動的な作品となっていた。
民藝運動とは直接関係はないけれど、多々納さんが窯での人間関係に行き詰まった際に、哲学者・住職である山本空外に言われたという
「自分の仕事(なすべきことに)に集中しなさい。気がついたらもう夜になっていたというくらい賢明にやりなさい。人のことが気になるほど暇な人の言うことなど誰も聞きませんよ。」
という言葉がとても響いた。河井寛次郎の「仕事が仕事をしてゐます」から始まる「仕事の歌」と合わせて、雑念で手が止まってしまった時にとても助けられている。
写真は愛用している出西窯の塩壺。番組を見てますます愛着が湧いている。
この「置いてある」ではなく、「いる」とか「たたずんでる」ような存在感。視界に入るだけでほっとうれしくなる。塩壺の隣のネコは河井寛次郎記念館で買った土産物のカード立て。