【MEMO】午後に通う大切な場所
近頃、暇さえあれば足を運ぶ場所があります。
家から歩いて15分くらい、閑静な住宅街を通り抜けると突然現れる、小さな森のような公園で、
園内には大きな広葉樹がいくつもそびえ立ち、木漏れ日が美しいです。
広葉樹の根元には小ぶりのシュロの木々がエキゾチックな葉を揺らします。
ここは朝も気持ちがいいけれど、この時期は午後2時くらいも格別で、日が傾きはじめて緑が黄金色に輝いています。
公園の奥に進めば時おり視界が森そのものになって、
空からは椎の実が足元にコロリ転がり落ちてきたりして、
自然にちょっかいを出されているみたいうれしくなります。
たいてい公園を一回りしてから広場のベンチに腰掛けます。
ここでスケッチブックを広げて、作品のアイデアとか少し先の計画などを描きながら
「ひとり会議」をします。
この場所にいると恥ずかしいほど素直になるようで、
あれしたいこれしたいと心の声が騒ぎ出します。
いつもだったら、実行していく自分の身を案じてしまって、
即却下しておくような新しい課題や無理難題も混じっているけれど、
ここにいると、とりあえず聞き入れてみようとおおらかに思えるから不思議です。
お腹が空いたら公園近くのおいしいパン屋さんのサンドイッチを食べます。
外は歯応えがあって内はふわふわのオリーブオイル香るフォカッチャサンド。
パンに敷かれた上質な薄切りの生ハムは、コクと旨味あふれるとろける舌触り。
生ハムの上にたっぷり挟まれた新鮮なルッコラのしゃきしゃきの歯応えと鼻をぬける香り。
ルコラの上にはふんわりすりおろされたパルミジャーノレッジャーノと
バジルが薫るジェノベーゼオイル。
歯切れも良くどこを食べても具のバランスが完璧でおいしいです。
香り高いサンドイッチを夢中で味わい、炭酸水をぐびぐび飲んだら、
再びスケッチブックに向かいます。